僕(大樹)と弟(泰斗)がファームを始めようと考えたのは、一年前の2009年10月に遡る。鹿児島の放牧黒豚の「えこふぁーむ」を一緒に見学に行ったときのことだ。ここで僕らは兄弟でファームを始めることを初めて口にしたように思う。
そして始まったファーム候補地探し。1/11に山梨の大月、勝沼、塩山、1/19に群馬の榛名、2/23に房総のいすみ鉄道周辺、3/22に山梨の北杜市。・・・とまぁ、お互いの休みが合うと、妻も誘って、ファーム候補地探しに明け暮れた。
泰斗が1月中旬に、その頃スタッフをしていた「organic farm暮らしの実験室」で作業中に屋根から落ちて足を骨折して松葉杖となるというアクシデントもあり、ペーパードライバーの僕が冷や汗ものの運転をしての土地探しだった。
房総は、いかにも日本の里山という雰囲気で、水田・畑の後背地に杉林が控えていて、トトロ的な郷愁を呼び、悪くなかった。ブルーベリー農家さんからは、ブルーベリーやイチジクの育て方を教えてもらって、よかったら来ないかとまで誘いを受けた。心は揺らいだ。早春の風を受ける杉の梢のように。
・・・だけど、3月に見た北杜市の風景が僕らの心を決めさせた。
北杜市の高根から見渡した南アルプスの山々のなんと美しいこと。壮麗な白き残雪をかぶった山々がまだ黒々とした畑の向こうに、並んでいて、いつまで眺めていても飽きることはなかった。
僕も泰斗も大学時代はワンダーフォーゲル部に所属して(ついでに主将にまでなって)、完全に山に魅せられていたこと。
また、北杜市周辺の雑木林や農村景観が、故郷北海道の風景とも似通っていたこと。
なんとも道産子の山男の単純さ(よく言えば純真さ!)。
それまで考えていた東京からのアクセス性の問題や、冬の農業の問題など、その瞬間、「どうにかなるだろう」と思ってしまっていた。恋愛というものはすべての欠点を見えなくするものらしいのです。Love is blind (シェイクスピア)。
・・・ということで、皆さんにも勇壮で急峻な甲斐駒ケ岳や鳳凰三山といった山岳景観や雑木林と丘陵地帯の農村景観をぜひ見に来て欲しいと思います。ただし、土地に魅せられすぎぬようご注意を!(笑)
[ぴたらファーム通信vol.3(11/5号)より]
by.タイジュ(運営担当)